資源循環プロジェクト研究センター

地域の課題を繋げて、新しい価値を生み出す

Profile

教授

三苫 好治

生命環境学部 環境科学科

博士(工学)?生命環境学部 環境科学科教授。カルシウムを還元剤とした汚染土壌の無害化やイノシシ等の鳥獣対策等地域の課題に取り組む研究を行っている。専門は有機合成化学、環境化学、分析化学。

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資源循環プロジェクト研究センターについて教えてください。

まず、対象となる資源についていえば、私がいる庄原の地域資源があります。また、地域資源だけでなく、人材資源や研究コンテンツも資源です。これらの様々な資源を高度に融合し、新しい価値観を生み出せないかというチャレンジを行うセンターです。そのため、プロジェクトメンバーは、私は化学が専門ですが、物理、社会科学系の先生方など多種多様な先生に入っていただき、どんなテーマでも幅広く受けて研究できるようにしています。そして、外部から色々なものが入ってきた時にそれを融合して新しい価値を生み出すことを目指しています。

地域から持ち込まれる案件は、農業や、環境問題、その中には、イノシシ等の鳥獣対策も入ってきます。そういった相談を個別に受けるんですね。どんどん受けていくと同じような問題がどこでもあることがわかってきます。私の考えでは、個別の案件でも原因が同じであるとか、別々のものだと考えている案件であっても、実は、方法論としては同じ方法で解決できる可能性があるとか、そういったことをチームで検討しています。

地域の抱えている課題が同じものである時、先生がそれをつなげていくというイメージでしょうか。
今は、どのような研究をされていますか。

今、庄原は中山間地域にあり高齢化がかなりのスピードで進んでいて、耕作放棄地が荒れ地になるところもあります。キャベツを精力的に販売しようとしている会社でそこを開拓しようとするところがありますが、水田だったところを畑にしようとしても水はけが悪く適してないんですね。そこで、ドローンを飛ばして不陸計測でデコボコの程度を計測します。そして、GPSと連動したレーザーレベラーのついたトラクターを使い、傾斜を自動で作ることで、水はけを良くします。つまり、今まで農業で使われていなかった技術を融合することによって課題が解決できる可能性があるので、そういったことを提案しています。

また、地域の課題にイノシシによる獣害の問題があります。イノシシ対策として作られた従来の忌避装置は、一定の距離までイノシシが近づくと音がなる仕組みのもので、イノシシに場所と音(刺激)がセットで記憶され慣れていき、効果が薄れます。そこで我々が開発したのが、超音波を使い、場所と音(刺激)がランダムに発生するタイプのもの。イノシシが学習しにくいので長い間忌避効果が続く装置です。また、人体に影響がないように超音波だけを用いた装置にしています。そういった技術をいろんなところに組み合わせていく。こういった研究を行っています。