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国際文化学科必修科目「国際文化学概説」が終了しました

今年度の国際文化学概説が無事に終了いたしました。この授業を通して、受講生は様々な分野に触れ、関心を広めてくれました。前回に引き続き、実際に行われたものの中からいくつかの講義を学生の声とともに紹介します。

中国学と中国語

「中国学に取り組むために」と題して、各種文献とその利用方法を紹介しました。また、インターネット時代における情報検索についても触れ、いくつかの課題を調べる取り組みを行いました。さらに、一般的な研究の手順と要点を確認し、レポートや論文をまとめる方法を説明しました。最後に、外国語学習の点から中国語で歌を歌い、学問研究における語学の重要性を見直しました。受講生は、調べて、考えて、まとめて、自分の見方を持つ、というステップを理解してくれたようです。

受講生の声

?レポートのまとめ方、研究の手順がわかったので、広く活用したいです。
?専門の文献をたくさん利用できるように、恐れず原典に当たりたいと思いました。
?歌は難しかったですが、外国語を会得しないと研究対象を理解することにはならないということが理解できました。

ハワイの歴史と文化

ハワイについて広く講義を行いました。最初に、ハワイの自然と地理について確認しました。次に、西洋人が来る前のハワイのポリネシア文化を紹介しました。そして、ハワイ王国の崩壊とアメリカによる支配について確認しました。さらに、19世紀後半の日本人のハワイへの移民についても簡単に触れました。最後に、今日のハワイについて考え、本学のハワイへの留学プログラムを紹介しました。

受講生の声

?ハワイの歴史について色々と新しい事柄を学ぶことができてよかったです。
?19世紀後半のハワイへの日本人の移民に関して、広島とハワイが歴史的に重要なつながりがあると知って驚きました。
?本学のハワイへの留学プログラムにぜひ参加してみたいと思いました。

英米児童文学の黄金時代と現代

英米の有名な児童文学作品が多く書かれた19世紀中盤から約100年の時代と、その個々の作品について概説しました。また英語圏の伝承童謡についても解説しました。

受講生の声

?「くまのプーさん」や「メアリーポピンズ」はディズニーの作品だと思っていたが、イギリスの児童文学だったと知って驚きました。
?英米児童文学はあまり読んだことがなかったけれど、それほど影響力が大きいと知って驚き、深いなあと思いました。
?『ロビンソン?クルーソー』に関心を持ちました。英米児童文学に当時の政治意識や価値観、教育観が読み取れるというところは興味深かったです。
?“Three Blind Mice” を歌ったのが印象に残りました。

日本近代文学研究入門

「日本近代文学」の領域や研究方法について、教員の現在の研究を一例として紹介した上で、実際に近代の小説「城の崎にて」の草稿と定稿の表現を比較し、改変の所以や生成された作品の世界像について考察しました。

受講生の声

?「城の崎にて」は高1のときに現代文の授業で習ったので、ある程度は知っている気でいたけれど、今日の授業で、草稿と定稿を比較してみると知らないことだらけでした。比較することで、著者の作品への思いや考え方が分かったので、新しい視点で作品を読むことができたと思いました。今日の授業は高校の時の現代文と違い、大変新鮮で面白かったです。
?草稿と定稿の違いに驚きました。実際に比較してみて、同じような話なのに定稿の方がより淋しく、より静けさを感じとることができました。「城の崎にて」を読んで、今まで自分にはなかった死生観を発見することができ、おもしろかったです。今まで文学を学ぶ意味が分かりませんでしたが、講義で言われたように、生き方の一助という視点で文学を学んでいきたいと思いました。
?日本文学の他に日本語文学というジャンルがあることをはじめて知りました。高校の時に、リービ英雄の文章を読んだことがあるのですが、日本人とは違う日本語の据え方を、彼の書く文章の中に感じ、日本語を読んでいるのにどこか不思議な気持ちになったのを覚えています。志賀直哉の作品を読んだのははじめてだったのですが、情景描写が多く、映像として入ってきやすいなと思いました。

キリスト教用語の日本語化

この講義では、Christianや「バテレン」、「天国」等のキリスト教用語を例に、外国語がどのようにして日本語の中に取り入れられていったのかについて、過去の辞書や文学作品を対象とする文献調査、及び九州地方を対象とするフィールド調査の結果に基づいて解説しました。

受講生の声

?私たちがいま当たり前に過ごしているクリスマスやバレンタイン、そして「天国」や「カリスマ」「ボランティア」など、キリスト教文化や用語を、私たちは“キリスト教”と意識することなく生活の中に取り入れていることに気付き、驚きました。
?日本文化は、様々な文化を吸収?消化して現在のかたちを作り上げたということを再認識させられました。伝統的な日本文化の良さは保ちつつも、異文化を巧みに吸収して自国の文化として昇華していく日本文化の独特さを感じました。
?今まで海外ばかりに目を向けて勉強したいと思っていたけれど、海外と繋がっている日本を見つめ直し、日本と外国との関係性についても学びたいと思いました。

日本古典文学研究入門-変体ひらがなを読んでみるー

ひらがなについての基本的知識を整理したうえで、変体ひらがなで書かれた資料の読解に挑戦しました。日本文化の特質を理解するとともに、活字や校訂本文に頼らず、自ら読み解き疑問や課題を発見することが学修の深化につながることを知るための試みです。

受講生の声

?原本を読むのは難しかったですが、手掛かりをもとに自分たちであれこれ考えながら読み解くのは、暗号を解くみたいでとても面白かったです。少ししか読む時間がなかったので、最後まで読んでみたいと思いました。
?平家納経の存在は高校の日本史で知りました。しかし、絵の中にも文字が隠れているということは初めて知り、つなげたら文になるということにも驚きました。高校では物事を覚えるような勉強が主でしたが、大学では一つの事柄についてじっくりと考察や研究をし、理解を深めていくことが大事なのだと思いました。
?留学を通じて(留学先の)文化の理解を深めたいと考えていますが、自分の母国である日本の文化についてさえ知らないことが山ほどあるということに気づきました。自国のことさえ十分に知らないのに、相手先のことについて十分な知識を得られるとは思わないので、まず、日本のことについても勉強していきたいと感じました。

異文化体験としての古典研究

「異文化体験としての古典研究」と題し、今と昔とで大きくその意味を変えている言葉「独善」を素材として、私たちが古典を学ぶ意義について考えました。

受講生の声

?今日の授業で古典というものに対する考え方が大きく変わりました。古典は単なる昔の文章ではなく、異文化体験と同じなのだということに納得しました。
?違和感を持っていたものに、何らかの共通点や共有できるものがある、という考え方があることに気づかされました。この考え方は、異文化交流をするときにとても役立つと思います。
?私も「分かりにくいけどおもしろい」「分からないからこそおもしろい」と思います。