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【環境科学科】 <研究室紹介> 西本(無機分析化学)研究室  ~閉鎖性海域の物質循環~

印刷用ページを表示する 2020年1月20日更新

<研究室紹介> 西本(無機分析化学)研究室  ~閉鎖性海域の物質循環~

 閉鎖性海域とは,周囲を陸地に囲まれた内湾や内海のことです。完全に閉じているわけではなく,周りの海とつながっており,外との水の交換が行われにくい海域を指します。古くから良い漁場として利用されていますが,水の交換が行われにくいため,汚染物質が蓄積しやすい場所と言えます。しかしながら汚染物質が流されなくても、環境が良い状態とは言えない閉鎖性海域があります。その閉鎖性海域を調べて環境を守るお手伝いをするのがこの研究室のテーマです。
 環境悪化の原因の一つが海水中あるいは底質中で酸素が少なくなることです。酸素が少なくなる原因としては,酸素を消費しやすい物質が多量に存在する,あるいは海面からの酸素供給能力が衰える,が挙げられます。その主な関係を図に示しました。当研究室では,様々な元素の分布を調べて,そのデータを利用して何が起こっているのか(どこで環境悪化が起こっているか)を明らかにしようとしています。
研究室紹介画像01
 私は有明海を主に研究対象にしており,今は瀬戸内海の研究も始めています。有明海は元々豊かな海でしたが、最近は様々な問題が生じています。赤潮の発生件数が増え高止まりしていたり、海底で酸素が少なくなったり、二枚貝があまり取れなかったり、主要生産物である海苔の色落ちが起こったりなどです。瀬戸内海では、昭和の高度成長期に富栄養化が進み赤潮がとても多かった時代がありました。現在では、赤潮の発生件数は減る傾向にありますが、富栄養化状態になっている海域と逆に貧栄養状態になっている海域が存在します。閉鎖性海域は,水質の維持が難しい海域とも言えます。
 自然環境中では酸塩基反応,酸化還元反応,沈殿反応,錯形成反応,イオン交換反応など様々な反応が起こっています。水中の元素の分布は短期間で変動します。その原因は雨だったり風だったりします。堆積物中の元素の分布は長期間で変動します。不溶物の溜まり易さや酸素濃度の変動によって影響を受けます。当研究室では,これらの知見をもとに海中での様々な物質、主に無機元素、の分布を,結果的には物質の循環を,研究し,環境改善につながるあるいは今後の環境悪化の防止に役立つ知見が得られればと考えています。

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