HBMS地域医療経営プロジェクト研究センター

医療介護総合確保推進のための
制度政策や事業経営のマネジメント人材養成

Profile

特任教授?センター長

西田 在賢

HBMS地域医療経営 プロジェクト研究センター

1979年情報工学修士(東京大学)、1997年医学博士(日本医科大学)。マッキンゼー社勤務後、電子カルテ開発の会社起業や日仏合弁会社の経営再建社長を経て、医療経済研究機構研究主幹、東北大学医学部助教授、ハーバード大学客員研究員、川崎医療福祉大学、武蔵野大学、静岡県立大学で教授に就き、2017年10月より県立広島大大学院経営管理研究科教授。同年12月よりHBMS地域医療経営プロジェクト研究センター長に就任。2019年春より静岡県立大学名誉教授。

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どのような研究テーマに取り組んでいますか?

2017年12月にヘルスケアのビジネス?アンド?マネジメントの人材養成の推進を目的にHBMS地域医療経営プロジェクト研究センターを開設しました。

ヘルスケア事業のマネジメントの主題は、地域に暮らす人々の多様な医療介護需要に応えることにありますが現在のところその実践が著しく遅れています。そこで同分野のマネジメントの研究とその成果の導入によって、人口減少と高齢化が同時に進むわが国の医療介護保障の持続性の確保を図るとともに地域社会の課題である医療介護サービスの生産性向上が期待されます。

本センターでは、この課題を医療経営学の視座から国による社会保障の重要政策や医療介護総合確保推進に関連する研究を行っており、その成果をもって、国や地域で必要性を認識されるようになった「医療経営人材」を育成するために、医療介護の制度政策や事業経営の研究情報を共有してお互いの研鑽を図る企画を積極的に提供することで、地域の医療介護の政策や経営にあたる人材を養成する先端研究の場として広島県内のみならず全国に情報発信していく役割を果たすことを目指しています。

そして地域社会における様々な医療介護分野の課題に対して、経営の視点で解決を図るという当研究センターの試みは、地域包括ケアシステムの中で活躍するマネジメント人材を養成することにつながります。

地域包括ケアシステムの中で活躍するマネジメント人材とはどのような人材でしょうか。

地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れたところで自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」が切れ目なく一体的に提供されるシステムのことです。従来の医療と介護という区別の壁を越えて、地域において包括的にケアを提供することは、超高齢社会において安心して生活できる地域作りのための鍵となるコンセプトです。一方、地域の医療介護資源の特性を踏まえたシステムの構築が必要なため、従来の社会保障政策のように国が示す全国一律のモデルで地域が実行すればよいというわけにはいきません。ちなみに地域の特性に応じた包括ケアシステムを作るためには、医療介護に携わる関係者が地域毎の課題設定を行って戦略的に課題の解決を図る医療介護提供の持続的な仕組み作りが必要となります。

限られた地域の医療介護資源の中のヒト、モノ、カネ、情報をどのようにやり繰りし、行政や医療介護の提供側が地域住民に寄り添い、その人たちが納得できる医療介護体制作りを経営の視点で解決を図ることができる人材が必要になると考えます。